2005年12月14日は私にとって忘れられない日です。初代のW-ZERO3が発売された日です。この初代W-ZERO3は、日本で初めて発売Windows Mobileスマートフォンです。
現在は、各キャリアから多くのスマートフォンが発売されていますが、3年前は一つも発売されていませんでした。携帯市場の拡大とノートパソコンの小型化に押されて、PDAと呼ばれる端末が日本市場で壊滅してしまいました。海外では、PDAはスマートフォンと呼ばれるジャンルで進化を始めましたが、ガラパゴス携帯の日本市場でPDAスタイルのスマートフォンが発売される見込みはありませんでした。
その中で、W-ZERO3は、いきなり生まれてきました。PHSをマイクロソフトに説明する事すら困難だったと聞いています。その厳しい状況の中で、ウィルコムはW-ZERO3を市場に出してくれました。通信定額、通話定額とアグレッシブなモバイルユーザーに使いやすい環境を次々とリリースしたウィルコムらしい展開でした。
特殊な日本の携帯市場にW-ZERO3が登場することに対して、PDAが壊滅状態であった状況などから冷ややかな反応もありました。しかし、W-ZERO3は人気が殺到し、予約ホームページはサーバーが落ち、発売日には、何百人もの行列ができました。
その後、Windows Mobileスマートフォンは多くのユーザーから支えられ、auを除く全てのキャリアから発売されるまでになってきました。しかし、ここまで3年もかかっているのです。日本市場からNokia撤退のニュースに見られるようにこの状況がいつなくなってしまうか、わかりません。3年前PDAの状況になってしまうかもしれません。
モバイルユーザーにとって、本当に使いやすい端末は何なのか?
それはユーザー毎に違います。しかし、その中で、スマートフォンはただの選択肢の一つではありません。選択肢という段階ではなく、明日には無くなってしまうかもしれないという危機感があります。安心して、ユーザーが端末や通信プランやキャリアの選択を自由にできる日が来るまで、応援していきたいと思っています。
from Touch Pro HT-01A