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不遇のジャンクカメラ YASHICA FFT : Xylocopal's Photolog

FFTが発売されたのは、1973年。
発売後ほどなく、ヤシカM42マウントを捨て、Y/Cマウントに移行していますから、生産数はそれほど多くはなかっただろうと思われます。
とはいえ、激レアというほどの稀少カメラではなく、今回の中古カメラ市でも3台ほど見かけました。
値段もいたって安く、間違っても、箱入美品3万円などという値段にはなりません。
1973年発売というと、"Asahi Pentax SPF"と同期のカメラになります。
当時、Pentax SPFの価格が、58500円(SMC Takumar 50mm/F1.8付)であったのに対し、Yashica FFTは、41000円(Auto Yashinon DS 50mm/F1.9付)でした。
どのようなステータスのカメラであったかは、この価格設定の違いを見れば一目瞭然ですね。

見れば見るほど地味なカメラです。
スペック的には過不足無くまとまっているのですが、製品としての華、色気、魅力がまったく感じられません。
同年代の"Pentax SPF"には、完成された機械が見せる枯れきった美しさがあるのに対し、Yashica FFTは無骨に大きく重たいばかりで、センスもコンセプトも感じられない茫洋としたデザインです。
基本デザインは悪くないのに、ディティールの詰めが甘く、全体としては野暮くさく鈍重なデザインとなっています。
同世代の"OLYMPUS OM-1"、"MINOLTA XE"などのフレッシュで颯爽としたデザインに比べると、Yashica FFTのやる気の無さは際立っており、旧共産圏の一眼レフに通じる無常観が漂っています。