コントラストは開放から良好で発色も良い。ただし、絞り込んでもカリカリとした鋭い階調描写になることはなく、適度な残存収差が軟らかくなだらかな階調描写を実現している。ボケはレトロフォーカス型レンズらしく四隅まで乱れずに安定しており、グルグルボケや放射ボケは全くみられず、2線ボケ傾向もない。解像力は標準レンズのダブルガウス型に比べてしまうと可もなく不可もなくだが、レトロフォーカス型レンズとしては四隅まで良好な水準を維持している。最短撮影距離が極めて短いのは、このレンズの大きな魅力である。特に2ndモデルと3rdモデルは18cmと極めて短く、準マクロレンズとしても使用できる。描写性能はもちろんのこと、使っていて本当に楽しいレンズである。