今から22年も前の「ベッコアメ」の登場は、日本で最初のネットベンチャーの登場だったからだ。
東芝のエンジニアだった尾崎憲一さんが、当時のアクセスプロバイダーの値段の高さに頭にきて、自分で使える金額をイメージして、サラ金から30万円を借金をして、インプレスの「インターネットマガジン」の創刊号(1994年09月)に広告を出稿した。社名はなんとも不思議な「ベッコアメ」。年会費を集めてからスタートする事業だったので、広告を見たユーザーたちの年会費でサーバー設備などを買い足したという。今でいうところのクラウドファンディングだ。不思議なことにサービス開始を、まだかまだかと待っていたことを覚えている。いや、一歩間違うと、夜逃げしなければならなかったビジネスモデルだった。
ベッコアメはホスティング事業としてとても魅力的だった。大手にはない常に「ユーザー視点」があったことにより、30万円のサラ金から始まったサービスは3年後の1997年には、年商24億円の企業へと成長した。