しかし、のちに、コーティング技術が開発され発展すると、空気とレンズ面に起こる反射と光量低下は、レンズ設計において大きな足枷とはならなくなりました。これを発明したのもツアイスですから、皮肉な話です。これによって、製造コストのかかるゾナー型は衰退しますが、技術史的な意義は大きいものです。なぜなら、それまで大口径レンズに較べて、昼夜を問わず高画質な画像をはじめて得ることができた史上初の大口径レンズであり「撮影者の意図を、忠実に画像で再現する光学機器」だったからです。
ゾナーは、主に標準レンズでは5cmF1.5、5cmF2、中望遠では8.5cmF2、望遠では13.5cmF4の4種が製作されたが、その他に18cmF2.8と30cmF4が存在しています。