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連載コラム 田中長徳のカメラ温故知新 vol7ライカ1型という不思議なパワー

数日後、ウイーンに到着して、夜、ベッドの上でホテルの天井を眺めている時に、それを天啓といえば大げさですけど、突然にアイデアが閃いたのです。
「持参のライカ1型でウイーンを撮影しよう!」というのです。
これは自分の意志ではなく、正に持参のライカ1型が私に語りかけた感じでした。
実際に「ライカが私にモノを言うようになった!」などと言い出すと、これは危ない小説になりますね。
その翌日から、まさに狂ったようにウイーンの町を歩き廻り、撮影をし続けました。
イカ1型はライカの最初のモデルですから、距離計もなく、メーターもついていない、シンプルさが、これはまさに「温故知新」と言いましょうか、その事が型遅れで不便というのではなく、逆に手で操作し、目で光を測ることが、私をして、ウイーンにより接近を可能にさせたのでしょう。

1930年?1933年、製造台数10200台。
A型をレンズ交換式にしたモデルで、本体自体はA型そのもの。
C型はアメリカでの呼び名。
初期はカメラごとにフィルム面とレンズマウントの距離が異なっており、カメラとレンズをペアで調整・販売していた。
イカ・スクリューマウント、Lマウント、39スクリュー、L39とか言われる規格がこれによってできあがった。
そのときペアで販売されたレンズはボディーの製造番号下3桁が記入された。
しかしこれでは不便だと、フィルム面とレンズマウントの距離を28.8mmに統一したのである。
これにより、調整なしにどんなレンズも交換可能になった。