S21HTが1位のとき
2008年10月初め、マイクロソフト(MS)の越川慎司・モバイルコミュニケーション本部長は同僚からの知らせに驚いた。イー・モバイルが発売した台湾HTC製スマートフォン(多機能型携帯端末)「S21HT」が、IT(情報技術)調査会社の機種別週間販売ランキングでトップをとったというのだ。
「S21HT」は、MSの携帯端末用OS(基本ソフト)「ウィンドウズモバイル(WM)」を搭載している。WM端末は、2005年12月にウィルコムがシャープ製を発売して以来、数機種が販売されていたが、一般的な端末をおさえて首位となったのは初めてだった。
「まさか1位になるとは……」。驚きとともに、うれしさがこみ上げてきた。