先日、某社の会合にて、モバイラーの皆さんとお話をする機会がありました。そのとき出た話題なのですが、「そもそも、スマートフォンって、何だろう?」という話になりました。
スマートフォンとは、広義では、通話以外に機能を持つ高機能携帯電話、と言われています。そう考えると、日本の携帯電話は、ネット、メール、ワンセグ、おサイフケータイ、着うた、カメラ、などなど、機能がテンコ盛りです。つまり、日本の携帯電話は、全てスマートフォンである、と言い切ってもいいかもしれません。
しかしながら、古くよりPDAを使ってきたモバイルユーザーにとって、現状の携帯電話の機種に対して、不満が大きくあります。
例えば、プロバイダで使っているPOPメールを使いたい、と思っても、なかなか大変だったりします。WEBメールで対応したり、転送サービスを利用したり、など、携帯電話でやろうと思えばできないことはないのですが、メールを自由に扱うことは大変です。
また、パソコンのデータを、メモリカードに移して、それを携帯電話で閲覧したり、編集したりするのも大変です。簡単な写真データでさえ、携帯電話上で、「インポート」という作業を行い、独自形式に変換して、特定ディレクトリーに入れないと、見ることができない場合があります。
PIMデータ(予定表やアドレス帳)を扱っていて、携帯電話に内蔵されているアプリケーションでは閲覧性が悪いので、他のアプリケーションを使いたい、と思っても、用意されていない場合がほとんどです。
機種によっては、ボタンの操作性が、自分の使い方と合わない場合があります。音量調整ボタンをスクロールボタンにしたいな、なんてことを感じることが多いと思います。しかしながら、ボタン機能は既に割り当てられた機能以外に使うことができません。
モバイルユーザーがやりたいことは、単純なことです。パソコンで使っている写真や動画や音楽やテキストを、簡単にモバイルデバイスで閲覧や編集がしたいのです。また、PIMデータなどを、使いやすいアプリケーションで毎日利用したいのです。よく使う機能を、使いやすい場所にあるボタンに割り当てたいのです。たった、これだけのことなのですが、今の携帯電話で対応できるものは、ほとんどありません。
多くのユーザーが使いやすいように、現状の携帯電話には、シェルが被せられ、ユーザーのカスタマイズが不可になっています。セキュリティレベルの問題で、本体のメモリに配置されているファイルが、閲覧できないようになっています。メモリカード内のファイルの閲覧さえ、特定ディレクトリーのみという制限がかけられている場合があります。
そのような携帯電話を、スマートフォンとは呼びたくはありません。いくら高機能でも、ユーザーが、使いたいように使うことができない携帯電話は、携帯電話でしかないのです。私が希望するスマートフォンは、
「ユーザーレベルで自由にカスタマイズできること」
が必須なのです。アプリケーションを自由に入れて、自分の使いたい機能に特化してき、使いやすい端末にすることができる、それがスマートフォンの醍醐味だと思っています。
現状の携帯電話に慣れているユーザーにとって、スマートフォンはカスタマイズできる分、かえって使いにくいものに感じるかもしれません。しかしながら、一人でも多くの携帯電話ユーザーに、スマートフォンの楽しさを感じていただき、ユーザーが一人でも増えて欲しい、と思っています。ユーザーが増えることで、新しい端末のリリースの可能性が増えたり、新しいアプリケーションの登場の機会は、きっと増えるはずです。スマートフォンユーザーのみなさん、是非、一緒に頑張りましょう!