セカンドライフのコラムでこんなエントリーがありました。
永遠のベータ版という言葉がある。英語では『the perpetual beta』と言われるが、これは最近のツールや製品などによく呼称される。ベータ版とは、製品などを、完全な形でリリースする前に、一部のユーザーにモニターとして使用してもらい、意見などのフィードバックを受け、改善するという段階のことを言う。
「永遠のベータ版」はネガティブに捉えるとあまり良い表現ではありませんが、良い言葉だな、と感じました。Windows Mobileスマートフォンも実は同じような状況ではないのでしょうか。スマートフォンは、モバイル環境で使うという前提もあるため、ユーザーの使い方、目的など、多岐に渡ります。PDA機能だけではなく、電話機能も内蔵してしまったため、可能性が広がる分、全てのユーザーに満足する端末にするには相当な苦労が必要だと思われます。それは、使う場所が限られるデスクトップパソコンや、携帯機能の内蔵していないノートパソコンや携帯ゲーム機には、比にならないほど、多くのシチュエーションをシュミレートしないと、あらゆる場面に対応するスマートフォンの開発は不可能でしょう。
モバイル利用環境は、まさにユーザー次第です。いつも同じ使い方をしていても、場所を移動することで、それも、移動中なのか、立って使うのか座って使うのか、移動の手段は車なのか徒歩なのか、あらゆる組み合わせが考えられます。その中では、端末開発時には想定できなかったような使い方もあるでしょう。
ユーザー毎に変わってくる環境で(一人のユーザーの中でも随時使う環境が変わりますが)、スマートフォンを楽しく使うためには、そのユーザー毎のカスタマイズにかかってきます。そのカスタマイズが、より多くの方が使うような場合は、OSや端末にフィードバックされて、バージョンアップされていくべきでしょう。
つまり、スマートフォンこそ、「永遠のベータ版」であってほしい、と感じます。刻々と変わるモバイル環境にユーザーと端末が適応しながら、その時代にあった最適のモバイルスタイルを追求できる環境を持つもの、それがスマートフォンであってほしい、と思います。