電子書籍「Projetct Palm」を読みました。いろいろ感じることがあり、読み終わった後、しばらく放心状態でした。PalmOSがいかにして生まれたのか、その背景が惜しみなく書かれています。私の最初のPalm体験は、Visor Deluxeからです。残念ながら、Palmが生まれたころの体験がありません。それが残念でなりませんでした。この時代をリアルタイムで体験したPDAユーザーの皆さんは、とても幸せだったと思います。そんな熱い時代を感じることができました。
パソコン並みに高機能化した携帯電話につながる「手のひらの電子端末」の源は、1996年に発売された電子端末「Pilot」にまで遡る。Pilotは一大ブームを巻き起こしたが、その裏には出資者のビジネス論理にも翻弄される開発者たちの苦悩があった……。本書は、Palm OSマシンファンのためのエンターテインメントWebマガジン「パーム航空」や、「iPAL Magazine」の運営者である「機長」が、理想のハンドヘルドコンピューターを追い求めた男たちの物語として書き下ろした作品。出版までに実に10年の月日を費やし、満を持して電子書籍化! 第1巻ではPilotの生みの親、ジェフ・ホーキンスの半生を追う。
この本を読みながら、自分のPDA暦を思い出してみました。キーボード端末へのこだわりもあり、ポケットオアシス、HP200LX、CASSIOPEIA、jornada、sigmarionというPDAの流れで利用してきました。しかし、その中でも、PalmOS端末は、Visor Deluxe、CLIE T-400、CLIE TG50、treo90、TungstenCを併用してきました。PalmOSの魅力は、私にとっては軽快なPIMと、MacとWinとシームレスに同期できるPalmDesktopでした。併用していく中で、WindowsCEはネット用途、PalmOSはPIM用途と使い分けることになりました。PalmOSのPIMの使いやすさと同期の快適さは、私にとっては必須のアイテムでした。CLIEが撤退しても、treo90、TungtenCと海外向け端末を快適に使っていました。
私にとっては、2005年6月に大事件が起きます。BenQ P50の登場です。海外ではスマートフォンとして使えるGSM機能内蔵のPocket PC 2003搭載端末でした。PDA市場が縮小する中、携帯機能を内蔵した端末で、ストレート型のキーボード内蔵。日本では携帯機能は使えませんが、スマートフォンが日本でも使える時代が必ず来るはず、という予感がしました。そこで、愛用しているPalm端末の使用を中止して、PIMもWindowsCEに完全移行することにしました。スマートフォンと心中する覚悟でした(そんなに大袈裟ではないのかもしれませんが、PIMのOSを変更することは自分にとっては大事件でした)。
その後、すぐに、日本で初めてのWindows MobileスマートフォンW-ZERO3が発売となり、それ以来、Windows Mobileのみを使う生活が続いています。
Palmを使っているとき、それは、確実に自分の生活の一部でした。それほど、空気のような存在の端末だったのです。Windows MobileのPIMも、それに近づけようとカスタマイズをしています。私にとってのPalm体験は、今のPIM運用に影響を与えた大きな存在でした。
話がまとまりませんが、本を読み終わって、自分のPDAを使っていた約15年間を一気に思い出してしまいました。