WILLCOMから発売されるWindows MobileスマートフォンW-ZERO3ですが、いろいろなキャッチを見かけるようになりました。「PCもケータイもいらない」「第3のコミュニケーションツール」「ドキュメントビューワ」「パイプライン・プロダクト」などなど。
ユーザーにとって魅力的なことは何でしょうか。何でもできることでしょうか。W-ZERO3は、確かに何でもできます。動画も見れて、音楽も聴けて、オフィス文書も扱えて、辞書も使えて、ネットもできて、電話も使える。ただ、ユーザー使い勝手を考えてみると、どれも専用マシンには到底かないません。音楽ならiPodが使いやすいし、オフィス文書ならノートPCの方が使いやすいし、辞書なら電子辞書の方がいいし、電話なら取り回しを考えると携帯電話にかないません。逆に、いろいろな事ができない専用マシンの方が、それぞれの用途では魅力的に見えてしまいます。何でもできることは、もしかしたら魅力として、乏しいのかもしれません。
それよりもこんなコンセプトはどうでしょうか。
「京ぽんにキーボードが付いたよ。入力が便利だよ。もちろん通信定額、通話定額。もしかしたら、いろいろできるかもしれないけど、それは内緒。」
無茶苦茶なコンセプトですね。それじゃ、スマートフォンじゃないかもしれません。でも半分本気だったりします。
画面も京ぽんそっくりなランチャーを用意してしまって、キーボード付き京ぽんとして販売してしまいます。そして、それ以上やりたい人はWindows MobileのOSレベルに行くことができて、カスタマイズも可能だけど、それは自分で頑張ってね。サポートしないよ。
キーボード付き京ぽんに、倍以上の値段を出すユーザーがいるかどうかはわかりませんが、それくらい緩いコンセプトの方が、携帯売り場で売るには、わかりやすくていいかな〜、なんて思っています。
何でもできる、と思って購入してしまって、結局何もできずにがっかりするより、京ぽんより入力しやすいよね〜、くらいで購入して、実はいろいろできてしまった方が、お得感も強いような気がします。
例えばですが、PSPがネットや動画ができますが、それを目的としてしまうと、きっと辛いものがあったりすると思います。まずは、ゲーム機としての魅力を堪能して、さらに、いろいろできることで、端末の付加価値が上がっていきます。
W-ZERO3は何でもできるマシンです。でも、ユーザーによっては何もできないかもしれません。それならば、最低限の魅力、キーボードが付いていること、くらいのコンセプトを打ち出す方法もあるのかな、なんて思いました。